エナジードリンク成分・効果一覧
エナジードリンクの主な効果は糖分による血糖値の上昇とカフェインの覚醒作用です。ほかの成分の配合量はごく微量であり、エナジードリンク1本で得られる効果の体感はほとんどないと言えます。
とは言え、エナジードリンクに含まれている成分がどのような効果、副作用があるものなのか興味ある方は多いハズ。個人的に長年ジムに通いサプリメントを輸入して色々勉強していることもあり、エナジードリンクの効果とは別に、成分について深堀りしてみました。
エナジードリンクを飲むだけでは変化を体感できない成分ばかりですが、気になるものがあればぜひサプリメントを試してほしいと思います。
目次
アセスルファムK
アセスルファムKは危険?
アセスルファムカリウムのことで砂糖の200倍の甘味があり、1gあたり0カロリーの人工甘味料です。
1967年にドイツで開発され安全性に問題ないことがわかっています。日本では2000年に厚生労働省で認可されました。現在世界中の飲料、食品に使用されています。
ネットでは人工甘味料が常に危険視されていますが、アセスルファムKには変異原性・ガン原性は認められておらず危険性はありません。
アセスルファムKの安全性・危険性についての論文
論文は世界中で大量に作られています。人工甘味料は危険だ!という論文が多く出ているものの、世界で人工甘味料を使わないようにする動きは一切ありません。
危険視する実験データや論文に、アセスルファムKを使用禁止にするほどのエビデンスがないからだとは思いますが、そもそもネットに出てくる論文情報などはどこまでが本当で嘘なのか見分けがつかなくなってきているのも事実です。
ゼロゼロ系エナジードリンクで使われる甘味料
アセスルファムKは甘味は強いもののゼロカロリーなのでゼロ系エナジードリンクでよく使われます。レッドブル・シュガーフリーや、モンスターエナジーアブソリュートリーゼロなど、ほぼ全てのゼロカロリー系エナジードリンクに含まれています。また完全にゼロシュガーとしてだけではなく、砂糖と併用して使われることもあり、甘さを演出するのに欠かせない人工甘味料です。
ちなみに砂糖のように甘いアセスルファムKは血糖値やインスリン値の上昇は怒らず、また虫歯の原因物質になりません。
独特の苦味がまずい
アセスルファムKは砂糖の200倍の甘味があるとされていますが、独特の苦味が後味に感じられるため、いろいろなエナジードリンクを飲んでいると人工甘味料を使っているエナジードリンクはすぐにわかります。アセスルファムKの濃度を高めるほど苦味が増します。
ゼロゼロ系エナジードリンクを不味く感じるのはこの不快な苦味の後味によるものがほとんどです。これをいかにカバーするかがゼロゼロ系の美味さを左右するのではと思います。
アルギニン
日本ではレッドブルがタウリンの代わりにアルギニンを配合したことで、その後続々と発売される国産エナジードリンクにもアルギニンが配合されるようになりました。日本ではエナジードリンクに含まれる代表的なエナジー成分のひとつです。
それぞれのエナジードリンクには300mg前後のアルギニンを配合しています。リゲインエナジードリンク(終売)にはエナジードリンクとしては最高の1,000mg(1g)を配合。これはダントツの配合量です。
マカにもアルギニンが含まれているため、マカが配合されていると微量のアルギニンも摂取出来る可能性があります。
アルギニンの効果
- 血管拡張による血流アップ
- 成長ホルモン分泌の促進
- 運動と併用で脂肪燃焼、筋肉成長の促進
注意したいのは、たった1g程度ではそれほど大きな効果を得られないということです。ゼロよりはマシですが、これらのアルギニンの効果を得るためには5g前後は摂取しておきたいところです。このことからも、エナジードリンクに含まれている程度のアルギニンでは体感のある効果は期待できないと言えます。
エナジードリンクにとりあえずアルギニンを入れとけ
日本で起きた2014年前後のエナジードリンクブームの頃は、後発類似商品が大量に発売され多くのエナジードリンクにアルギニンが配合されていました。とりあえずアルギニン入れとけばエナジードリンクっぽくなる、と思ったのでしょうか。
右へ倣えでアルギニンが入っているのを見て、商品の特徴に合うオリジナルの成分構成にすればもっと面白い商品ができるのになぁと思っていたら、当時のエナジードリンクは1年以内にすべて終売へ。ブランディングも何も波に乗っただけだったので成分構成なんてどうでもよかったのでしょうね。
安息香酸Na(ナトリウム)
安息香酸Naは食品保存料
安息香酸ナトリウムは笹の葉、梅にも含まれていて、エナジードリンクを始めとする食品の保存料として使われています。食品以外にも医薬品の保存料や化粧品防腐剤としても利用されていて各種の微生物に対して増殖を抑制する効果があります。
安息香酸ナトリウムは保存性を高める添加物です。微生物を殺すことを目的とした殺菌剤とは異なります。
安息香酸ナトリウムがベンゼンに変化する
安息香酸ナトリウムがビタミンCと反応して発がん性物質ベンゼンに変化し、市販品で低濃度検出されることがわかり、イギリスでは基準値を超えた商品が回収される騒ぎがありました。ちなみに安息香酸ナトリウム自体に発がん性はなく安全性の高い保存料であることは間違いありません。
安息香酸ナトリウムは世界で使用されている保存料であり、安息香酸ナトリウムは多くの食品、飲料で使われているのでエナジードリンクにだけ入っている危険な保存料というわけではありません。
保存料は必要
保存料が悪であると言われることが多いですが、現在流通している加工食品で保存料のないものを探すほうが難しく、現代社会において保存料なしの新鮮な食べ物や飲み物だけを食べて生活することは非常に困難であると言えます。
保存料は様々な菌の増殖を抑えるために必要で、保存料が入っていないものは菌の増殖が早くなります。安心して飲食・使用ができるのは保存料によって安定した状態をキープできる期間が長いからです。
このように安息香酸ナトリウムを始めとする保存料は危険と週刊誌系のネットで書かれていることが多いですが、正しい使い方と検査を経ていれば問題ないどころか今の暮らしには必要なものだということがわかるでしょう。僅かでも安息香酸ナトリウムが入っていれば有害なものとするならば、すでに世界中で使用禁止となっているはずです。
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アントシアニン
色素としてのアントシアニン
アントシアニンはポリフェノールのひとつで花や果実などに広く分布する青紫色の天然の色素。合成着色料よりも安全性が高いため食品用の天然色素として使われています。エナジードリンクにも着色料として配合されています。
ポリフェノールに含まれるのはアントシアニンのほかに、カテキン、カカオポリフェノール、ルチン、クルクミンなどがあります。
アントシアニンの効果
昔は着色料として使われていましたが最近では抗酸化作用やがん予防、目の健康にも効果が期待できるとしてサプリメントの需要が高まっています。しかしエナジードリンクではあくまで天然の着色料として使われていて、抗酸化作用を謳うものはありません。
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イノシトール
イノシトールとは
甘みを持つビタミンB様物質。体内で合成でき欠乏することがないのでビタミンには含まれません。
エナジードリンクを飲んでイノシトールから何かしら効果を得ようという人はまずいないと思いますが、大手のエナジードリンクブランドでは定番となっているエナジー成分のひとつです。
配合量は各エナジードリンクによってまちまちなので、エナジーブレンドのひとつとしてとりあえず配合している程度と考えて良いでしょう。
イノシトールの効果
- 脂肪肝予防、動脈硬化予防
- 脂肪代謝を高めエネルギーとして活用
- 神経伝達や脳の働きをサポート
イノシトールは抗脂肪肝ビタミンと呼ばれるほど、肝臓に脂肪がつくのを防ぐ働きがあります。エナジードリンクの場合、多量の糖分が含まれていることが多いので、イノシトールが含まれていようが飲めばその分太ります。
またイノシトールは脳の栄養としても使われます。サプリメントで摂取し不安を抑えたり集中力を高めるなどの働きがあるとのこと。そのためスマートドラッグのひとつとしても利用している人もいます。イノシトールと同じく脳の栄養素として必須のコリンとセットになったサプリメントが多く見られます。
うつ病、パニック障害、強迫性障害、ADHDの場合にもイノシトールが利用されることがあるとのこと。
後半で紹介するNow Foodsのサプリメントにはイノシトールが1カプセルあたり500mg含まれています。このことから考えてもエナジードリンクに含まれる50mgや100mg程度では摂取後の大きな変化はほぼないと言えるでしょう。
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エリスリトール
エリスリトール、またはエリトリトールとも言います。天然の糖アルコールでカロリーがほとんどないことが特徴。元々果物や発酵食品に含まれています。ブドウ糖を発酵させることで作られ、砂糖の80%程度の甘さを作ることができます。
エリスリトールのフレーバーと効果
- カロリーがほとんどない
- 砂糖の80%の甘さ
- 清涼感を感じさせる
エナジードリンクにはゼロ系の甘味料として使われています。エリスリトールは吸収されるため他の糖アルコールに比べて下痢をしにくいことも特徴。
エリスリトール配合のエナジードリンクはスースーした清涼感が楽しめるものもあり、意図的に清涼感を演出したいときにも使用されています。
カフェイン
ほぼ全てのエナジードリンクにコーヒー1~2杯程度(80~160mg)のカフェインが配合されています。エナジードリンクと言えば多くのカフェインを含んでいるとされていますが配合量はそれほど多くないものがほとんどです。
- カフェインの効果
- 覚醒作用
- 体脂肪燃焼促進
- 血管収縮
覚醒作用による眠気覚まし
カフェインに含まれる覚醒作用によって、エナジードリンクは眠気覚ましなどに利用されることがあります。日本のエナジードリンクも海外のエナジードリンクも眠気覚ましに活用できるようなプロモーションをしていることが多々あります。
しかしエナジードリンクに含まれるカフェイン量は一般的に80~160mgほど。コーヒー1~1.5杯分程度のカフェインしか入っていないため、眠気覚ましに使えるかどうかは微妙なところです。エナジードリンク1本を飲んで朝まで眠れなかった体験をしたというのはほとんどがプラシーボ効果によって目が冴えているように感じただけでしょう。
エナジードリンクは1本200円もするので眠気覚ましに飲むにはコスパが最悪です。コーヒーを数杯飲むかカフェイン錠剤を飲むのが最も賢い方法ですね。
脂肪燃焼効果
カフェインには脂肪燃焼を促進する効果が認められています。実際に海外のファットバーン系のサプリメントには多量のカフェインが含まれており、2錠を1回分として300mgほどのカフェインを摂取することがあります。これを1日2回摂取するので、その場合は1日トータルで600mgほどのカフェインを摂取することになります。
ファットバーン系のような総合的な減量サプリメントではなく、カフェイン単体で摂取できるようなサプリメントも販売されていて価格はファットバーン系サプリと比較にならないほど安いです。カフェイン単体で摂った場合でもタイ脂肪燃焼効果が期待できるので、コストを抑えて体脂肪燃焼を目指すのであればカフェインサプリメントを使用するのが良いでしょう。
カフェインの安全性
1日のカフェイン摂取量
FDA(アメリカ食品医薬品庁)、SCF(欧州連合食品科学委員会)、FSANZ(オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関)など世界の食品安全機関によって、カフェインは安全であると認められています。エナジードリンクが危険と言われることが多いのは主にカフェインについてですが、そのようなネット記事ではこれらの世界各国の機関による安全性については記載されることはほとんどありません。
カナダ保健省によれば、1日400~450mgのカフェインを摂取したとしても健康上問題ないとしています。エナジードリンクに含まれるカフェインの量は80~160mgですから、2~5本程度であれば問題ないと言えます。
カフェインは体内に蓄積される?
カフェインは体内に蓄積されず、数時間で自然に排泄されていきます。以前ネットで「カフェインが日々蓄積されていく」というとんでもないニュース記事の見出しを見つけて驚いたことがありますが、カフェインは体内に残らないので安心して良いです。
カフェインを大量に摂取してしまい、カフェイン中毒の症状が出た場合は解毒剤のようなものは存在せず、自然とカフェインが出ていくのを待つ対症療法が一般的です。時間とともに症状が引いていくでしょう。
エナジードリンク高カフェイン化現象
過去にエナジードリンクのカフェインが原因で死亡したと因果関係が不明なまま報道されたこともあり、一時的に高カフェイン配合のエナジードリンクは姿を消し、2014年には一旦落ち着いたものの2018年からはbangのような高カフェイン配合エナジードリンクが一気に人気を集め始めたために、ロックスターが追随し、モンスターエナジーまで新しいブランドを立ち上げてしまう事態に。
アメリカでは問題視されていた事件を忘れたかのような商品がたくさん発売されています。
日本でもイオン・トップバリュのエナジーハンターは1本で195mgのカフェインを含み、ほかにも高カフェイン配合のエナジードリンクが販売されています。
エナジードリンクは飲む前から「凄さ」や「インパクト」などイメージも重要な要素のひとつだと思うのでこの流れは仕方ないかと思う反面、アメリカの特にトップブランドが相次いで高カフェイン化していく流れに疑問を感じています。
ガラナ
アマゾンに自生するつる植物で熟した赤い実が特徴のガラナ。アマゾンの原住民に疲労回復に効果があるとされて昔から飲料にして飲まれてきました。
ガラナ抽出エキスはエナジードリンクに配合される代表的なエナジー成分のひとつ。モンスターエナジーやロックスター、その他多くのエナジードリンクにガラナが配合されています。
ガラナに含まれるカフェイン
ガラナには3.6~5.8%のカフェインが含まれています。
ちなみにコーヒー豆に含まれるカフェインは2%程度です。
ガラナとコーヒーのカフェインの違い
『ガラナはコーヒーのカフェインよりも強くもしくは弱く、またゆっくり吸収される』とネットに書かれていることが多いですが、明確に立証はされていないようです。ガラナ種子に含まれるその他の成分により何らかの違いはあるかもしれませんが、大きな特徴として決定付けるにはデータが不足しているものと考えられます。
また「ガラナを摂取すると眠れなくなることがあるがカフェインより効果は弱い」という文献(ハーブ大百科 誠文堂新光社)もありますがこらちもどこまで信用するかは微妙です。
エナジードリンクに含まれるガラナとカフェインの量について
エナジードリンクにはカフェイン配合量が記載され、それとは別にガラナ抽出物が別途記載されているため、実際の表記よりも多くカフェインが含まれている可能性があります。
エナジードリンクの成分一覧に記載されているガラナ抽出物の量がわかれば、ガラナに含まれるカフェイン量もおおよそ計算することができます。
エナジードリンクに含まれるガラナとカフェイン量
ガラナ抽出物の配合量が明確に記載されているエナジードリンクをピックアップしました。
ガラナに含まれるカフェイン量を平均値の4.7%程度と過程してエナジードリンクに含まれるガラナ由来のカフェイン量を計算してみましょう。
- AMPチェリー:ガラナ264mg=カフェイン12mg(4.7%)
- rip it TRIBUTE:ガラナ6mg=カフェイン0.282mg(4.7%)
- ビーバーバズオリジナル:ガラナ9mg=カフェイン0.423mg(4.7%)
- KIIVA STRONG:ガラナ200mg=カフェイン9.4mg(4.7%)
- スターバックスヘーゼルナッツ:ガラナ90mg=カフェイン4.23mg(4.7%)
思ったほど入っていない印象ですね。エナジードリンクに記載されているカフェイン量が、ガラナ由来のカフェインも含めた量なのかどうかは不明。
健康面を考えるならば、記載されたカフェイン量にガラナ由来のカフェインは入っていないと考えてカフェイン摂取量に気をつければよいのではないでしょうか。とは言えガラナ抽出物自体ごく僅かしか入っていないものが多いので、そこまで気にする必要はないと思います。
ガラナの効果
ガラナの効果はカフェインとほぼ同じ。
- 利尿作用
- 覚醒作用
- 疲労回復効果
ガラナは昔から滋養強壮・疲労回復・鎮静作用・肥満防止・老化防止など幅広く使われてきました。これらの効果はガラナに含まれる「ガラニン」によるものだと考えられていましたが、後に研究でガラナの効果はただのカフェインによるものであるとわかりました_(┐「ε:)_ズコー
Researchers once believed that the active ingredient of guarana was a chemical specific to the plant -- guaranine. But they later discovered that it was just caffeine.
引用:Why do people take guarana? (WebMD)
というわけでガラナ抽出物がたくさん入っているからこのエナジードリンクは凄い、とは言えないと考えられます。
ガラナで気をつけたいこと
これまで書いたとおり、ガラナにはカフェインが含まれているので、ガラナ以外のカフェイン飲料などと併用して摂取すると、カフェインの過剰摂取になる可能性が高まるので注意する必要があります。
もしガラナをたくさん摂取することがあれば(まずないと思いますが)、コーヒーやエナジードリンクと一緒に飲むのは避けたほうが良いでしょう。
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カラメル
カラメルはエナジードリンクには風味付けとして、褐色の着色料として添加される天然添加物です。特にエナジー成分として配合されているわけではありません。
エナジードリンク、コーラ、焼きそば、カレー、ソースなどを褐色に色付けするために使われていて、毎日何かしらのカラメルを含む食品を食べているのではないでしょうか。
カラメルの発がん性
カラメルはエナジードリンクやコーラなどにも使われていますが、カラメルの種類(1~4のうち3と4)によっては発がん性があるとアメリカで問題になりました。
カラメル色素の中の4-MEI(4-メチルイミダゾール)という成分に発がん性があると考えられていて、カリフォルニア州では清涼飲料水1缶当たりに含まれる4-MEIの量が29μgを超える場合は発がん性の警告表示を義務付けて話題になりました。そして現在は発がん性物質として認定されています。
これによりアメリカでは過去にコカコーラ355ml缶に100μgのカラメル色素が使われていたため、現在ではこれを基準値内に減らして製造しています。
しかしFDAや欧州食品安全機関は健康上の懸念はないとしています。
というのもFDAによるとコーラに含まれる4-MEIをはじめその他の成分で癌が発生するとすれば1日1,000缶以上飲まないと無理としているからです。事実上4-MEIによって発がん性を危険視するレベルではないと言えるでしょう。
日本のカラメルに関する安全性
アメリカでこのような状況になっているものの日本ではカラメルの危険性が知られていないという記事を見かけますが、実際は1980年に厚生省が2年にわたるマウスの実験においてカラメルは発がん性がないと結論づけています。
1985年、国際機関JECFAはカラメル1、3、4に関しては発がん性は認められないとし、カラメル2は2000年に安全性が評価されています。
カルニチン
カルニチンの脂肪燃焼効果
運動によって死亡はエネルギー源として使われますが、このときに脂肪酸をエネルギー源として使えるように運搬する役割がカルニチンです。カルニチンを摂取すると運搬役が増えるため、効率よく脂肪を燃焼できるようになることから燃焼系アミノ酸と呼ばれています。
カルニチンの燃焼効果は運動が前提です。運動しないときにカルニチンを摂取しても消費するエネルギー自体が少ないためほとんど効果は得られません。
エナジードリンクに含まれる量のカルニチンはごく微量であると考えられます。高カロリー・高糖質のエナジードリンクを飲んで脂肪を燃焼させようと思う人は少ないと思いますが念の為。
加齢とカルニチンの摂取
健康な人であれば、肝臓と腎臓でリジンとメチオニンによって1日に必要なカルニチンを生成するため、カルニチン摂取のための食事を意識したりサプリメントで摂取する必要はありません。
しかし加齢とともに体内のカルニチン濃度が低下すると、ミトコンドリア膜の状態も悪くなると考えられています。ラットを用いた実験ではカルチニンとαリポ酸を高濃度摂取させたところミトコンドリア膜の劣化を防ぐことができ、よく動き回るようになり、記憶課題における成績が改善。
人間ではまだ同様の研究はありませんが、3~12カ月間、1日あたり1.5~3.0 gのカルチニンを人が摂取した実験によると、カルニチン摂取によって軽度認知機能障害とアルツハイマー病の悪化を抑え精神機能を改善する可能性があることがわかったそうです。
関連サイト
クエン酸
クエン酸の効果
クエン酸には糖代謝によるエネルギー変換の役割があります。
またスポーツの世界ではクエン酸が乳酸を分解し疲労回復効果があると言われてきましたが、国立健康・栄養研究所の研究の結果、クエン酸には疲労回復効果は認められなかったと結論づけています。
実験によって疲労軽減に効果あり、効果なし、というバラバラな結果が出ているため、明確にクエン酸が疲労回復に効果があるとは言えないのが現状です。
エナジードリンクに含まれるクエン酸
エナジードリンクには酸味の調整としてクエン酸が含まれています。酸味の強いタイプのエナジードリンクにはクエン酸が多めに入っているかもしれませんね。
ちなみにクエン酸はエナジー成分としてではなく味付けのための材料なので、エナジードリンクに限らずほかの清涼飲料水にも当然幅広く使われています。
例えばキレートレモンなどの酸っぱい飲料にも入っていますし、アクエリアスなどのスポーツドリンクにも入っています。これと言って特別なエナジー成分ではありません。
高麗人参
多くのエナジードリンクに配合されています。海外のエナジードリンクにはGINSENGと書かれていればそれが高麗人参です。他には朝鮮人参、オタネニンジンとも呼ばれています。日本のエナジードリンクでこのように書かれていれば同一のものと考えてよいでしょう。
高麗人蔘のエナジー成分を始めとする効能が期待できるのが『ジンセノサイド』という成分です。英語でジンセンと書かれているのもジンセノサイド成分から名前がついています。
高麗人参の効果
- 血圧コントロール
- 代謝機能の活性化
- 精神安定
- 疲労回復効果
- 血管拡張効果
グルコース(ブドウ糖)
単糖でデキストロースとも呼ばれます。水に溶けやすく甘みがあり、私たちが活動するためのエネルギー源として効率よく働きます。グルコースは特に脳でエネルギーとして大量に使われるため、エナジードリンクを飲んで頭の回転が早くなったように感じるのもグルコース、ブドウ糖による栄養補給が関係しています。
グルコースの効果
- 運動前のエネルギーチャージ
- 運動後摂取で筋肉の分解までの時間稼ぎ
グルコース(ブドウ糖)は腸に入ってからの吸収が早く、エネルギー源として使えますが、急激に血糖値を上げるため、その反動で低血糖になる可能性が問題視されています。
しかしエナジードリンクに含まれているグルコース量はコーラなどの他の炭酸ジュースと同じレベルなので、コーラやペプシなどを飲んで低血糖になってフラフラする、という方は気をつけてください。暑うはそうならないはずなので、エナジードリンクによる低血糖はそこまで危険視する必要はないと考えられます。
また筋トレやハードな運動中は特に多くブドウ糖などが入ったスポーツドリンクを飲んでいたとしても、アドレナリンなどのホルモンが出ているため低血糖の症状は起きにくいと言われています。
タウリン
タウリンは栄養ドリンクなどにも含まれる胆汁の主成分です。体重60kgの人には約60gのタウリンが体内にあると言われていて、その多くは心臓に含まれています。次いで筋肉、肝臓、腎臓、肺、脳に多く含まれています。
神経伝達物質として働き消化作用の補助、肝機能向上、血圧を下げる働きがあります。日本では販売の都合上エナジードリンクにタウリンは含まれず代替成分としてアルギニンが配合されています。ちなみにタウリンはラテン語で雄牛を意味するタウルスに由来しています。
タウリンの効果
エナジードリンクをこれからの活動的なシーンに期待するとしたら、以下の様な効果が考えられます。
- 心臓機能の向上によるパフォーマンス強化
- 筋肉の収縮向上
- 脱水症状時の細胞萎縮予防
ある実験データではエナジードリンクに含まれるタウリン1000mgで心臓から送り出される血液の量が21%も増えたというデータもあるため、タウリン1000mg程度でも何かしらの効果を得られる可能性はあるでしょう。
テアニン
お茶に多く含まれるアミノ酸のひとつ。味としては旨味成分になります。
テアニンはエナジードリンクの定番成分というわけではありませんが、たまに見かける成分のひとつであり、肉体的な作用というよりも脳への作用をテーマにしたエナジードリンクに含まれることが多いようです。
テアニンの効果
- リラックス効果
- 抗ストレス
- 睡眠促進
テアニンはエナジードリンクというよりもリラックス系飲料のほうが最適な成分で、実際リラックス系ドリンクにはほぼ含まれています。
記憶力や学習能力向上の働きや、ストレスや緊張から解きほぐして集中力を高めるなどの作用があることがわかっています。エナジードリンクを運動前に摂取する習慣がある人にとってもテアニンの効果は良い方向に作用するでしょう。
ちなみにテアニンによるリラックス効果が感じられるのは、50mgでは不安傾向の低い人に、200mgで不安傾向の高い人に体感できるほどのリラックス効果があるそうです。
エナジードリンクにはそこまで大量のテアニンが含まれているわけではないので、過度な期待はしないほうが無難かもしれません。効果よりもテアニン独特の苦味を感じるティー系フレーバーのエナジードリンクが多く、味と雰囲気を楽しむのが良いのかなと個人的には感じています。
ナトリウム(ソディウム)
ほぼすべてのエナジードリンクを含む清涼飲料水などに含まれています。簡単に言えば塩です。
日本ではドイツ語のナトリウムと表記していますが、海外のエナジードリンクではソディウム(sodium)と書かれています。特にエナジー成分ではなくどこにでもある塩分です。
ちなみに世界各国の食事では味や文化の違いはありますが、平均的に見ていくとナトリウムの摂取量平均に大きな差は見られないと言われています。また加工食品が増えた現代も昔もナトリウムの摂取量はほとんど変わっていないそうです。
病気で塩分のとりすぎを意識して食事する人出ない限りはエナジードリンクに含まれるナトリウム量は気にする必要はありません。
難消化性デキストリン
食物繊維として活用されるでんぷんの一種。血糖値の急上昇を抑える働きがあり、トクホとしても認められる効果があります。
エナジードリンクにはあまり結びつかないような成分と言えますが配合されているものもあるんですね。
難消化性デキストリンの効果
- 血糖値の急上昇を抑える
- 整腸作用
- 内臓脂肪低減
- 脂肪吸収の遅延作用
サプリメントとしては粉末状のイヌリンとしても知られています。食後の血糖値の上昇を抑えるために摂取します。無味無臭で、コーヒーや味噌汁に混ぜて飲まれることが多いようです。主にダイエット目的で利用されます。
トクホ商品でも使われる成分だけあり、健康に関する働きが目立ちます。糖の吸収を抑え血糖値の急上昇を抑える働きがあります。
アメリカのFDAによると、難消化性デキストリンは1日の摂取上限を設ける必要がないほど安全である、とのこと。安全性はとても高いものとされています。
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蜂蜜
成分としての蜂蜜
蜂蜜の8割が糖質でグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)がほとんどを占めます。このためすぐにエネルギー源して使われます。そのほかにはビタミン、ミネラル、酵素などを含みますが、蜂蜜に含まれる成分で有効なものがあるかどうかはまだ不明な部分が多いそうです。
はちみつの販売業者曰く、「はちみつは万能薬」のような書かれ方をしていますが、記載の通り8割は糖分ですので、その他の成分によって健康増進などの働きはあまり期待できないでしょうし、食べ過ぎは糖分の摂り過ぎに繋がるため、甘い食品と割り切って美味しくいただくのがベストなのかなと思います。
蜂蜜を含むエナジードリンク
一部のエナジードリンクには蜂蜜が含まれています。現在製造を終了したモンスターエナジーのキラービーなど、蜂蜜を商品の特徴として取り入れたエナジードリンクもあります。味付けとして使われることが多くエナジー成分としては採用されることはまずないと言えます。
パントテン酸
パントテン酸はビタミンB5とも呼ばれていた物質で糖代謝や脂肪酸代謝に関わっていてエネルギーを作り出す際に働きます。
日本人成人男性の1日の必要摂取量は5mgで、パントテン酸の大量摂取による健康被害は報告されていないので耐容上限量は設定されていません。パントテン酸はあらゆる食材に含まれるビタミンで、食事をしていればまず欠乏することはなく、パントテン酸欠乏症は非常に稀です。
パントテン酸の働き
- エネルギー代謝に関わるビタミン
- コレステロール低下や血小板数改善
- ストレスに対する防御機能を高める
パントテン酸そのものが作用するわけではなく、パントテン酸が関わってさまざまな体の働きが促されます。例えばパントテン酸だけを多く摂取すればエネルギー代謝がより良くなる、ことはありませんし、同様にパントテン酸を摂取していればコレステロールが低下するわけでもありません。
エナジードリンクに含まれるパントテン酸
パントテン酸はエナジードリンクに含まれる糖分などと一緒にエネルギー代謝のために作用すると考えられますが、あまり期待するレベルのことではないでしょう。
ちなみにカフェインやアルコールを摂取するとパントテン酸を消費してしまうことがわかっています。エナジードリンクを飲むとパントテン酸を消費してしまうから配合している、とまでは考えにくいですし、そもそもパントテン酸が欠乏して深刻な状況になることはほぼないので、エナジー成分、エナジードリンクの特別な成分として深く考える必要はないでしょう。
ビタミンB6
ビタミンB6の効果
- 肌、粘膜の健康維持
- たんぱく質合成の補助
- 赤血球のヘモグロビンの合成
- 脂質の代謝
ビタミンB6単体で効果を発揮するわけではなく代謝に関わる100を超える酵素反応のために使われます。
国立がん研究センターによると、ビタミンB6の摂取によって最も摂取していない男性グループと摂取している男性グループで大腸がんリスクが30~40%低くなったという研究データがあります。ちなみに女性では変化はみられなかったとのこと。
ビタミンB6の必要摂取量
1日に必要な摂取量は成人男性1.4mg、成人女性1.1mg、妊婦の場合はさらに0.8mgが必要になります。
基本的に食事から摂取できるビタミンB6で必要摂取量がまかなえるのでビタミンB6欠乏症はほとんど見られません。
エナジードリンクでは飲んだ後のエネルギー代謝などにビタミンB6が使われるため飲んでも無意味というわけではありませんが、強力な効果を発揮する成分ではありません。
また睡眠中に見る夢を思い出す際にビタミンB6を摂取していると思い出しやすくなるというオーストラリアの論文まで出てきています。面白いですね。
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ビタミンB12
ビタミンB12は神経伝達系、たんぱく質合成に必要なコバルトを含むビタミン。葉酸と一緒に赤血球を作るために必要なビタミンで貧血予防や症状改善にも必要になります。
1日に推奨される摂取量は2.4µg。ちなみにビタミンB12は水溶性なので摂り過ぎても過剰摂取による副作用等はなく排出されるので問題ありません。
ビタミンB12の効果
- アミノ酸やたんぱく質合成を助ける
- 疲労回復
- 持久力維持
- 集中力低下の予防
ビタミンB12の効果についてはさらに研究が必要なものが多いですが、持久力に関してはビタミンB12が欠乏した状態であれば貧血などを改善し体力低下症状も改善する程度のもので、一般的にビタミンB12が足りていれば持久力がさらに向上するわけではないとのこと。
エナジードリンクに含まれるビタミンB12
ビタミンB12はほとんどのエナジードリンクに配合されています。
成分一覧を見ると配合量ではなく1日の摂取割合で100%や200%などと記載されていることもあります。販売されている国で定めた量をもとに記載されているので日本人には馴染みがない表記かもしれません。
サプリメントで摂取できるビタミンB12は、摂取した量すべてが吸収されるわけではなく、健康な人の場合、500µgを摂取しても10µgしか吸収できないとのこと。
エナジードリンクやエナジーショットの成分一覧に数百%、数千%と書かれていてネタにされることがありますが、このような状況なのでビタミンB12の吸収率の低さなどを知っているだけで冷静に成分一覧を見ることができます。
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プロテイン
モンスターエナジー、ロックスターで見られるたんぱく質含有エナジードリンク
マッスルモンスターには25gのたんぱく質が含まれています。その後ロックスターからスポーツシリーズが2種類発売されましたが長続きせず1年ちょっとで製造終了。ロックスターの場合は筋トレ系のプロモーションをほとんどやってこなかったためブランディング形成が出来ずに消えていきました。
モンスターエナジーに関してはマッスルモンスターブランドを地道に作っているため、本格的にトレーニングしている人やアスリート向けの商品イメージが出来上がっています。現在は缶からペットボトルタイプに変更され飲みやすく工夫されてフィットネスシーンでも受け入れられる商品になりつあると感じています。
添加物によるごく微量のたんぱく質
コーヒー系のエナジードリンクにはミルクが入っているため、1~2g程度のたんぱく質が記載されていることがあります。これはプロテインサプリメントとしてではなく牛乳に含まれるたんぱく質なので、サプリメント成分として見るものではないでしょう。
マカ
アンデス山脈に自生する非常に栄養価の高い植物で根がハーブとして利用されています。ほとんどが炭水化物(59%)で構成されていますが、根野菜としては豊富なたんぱく質も含んでいて、成分の多くはアルギニンです。
マカの良さはアルギニンだけでなく、必須アミノ酸をはじめとして、様々な健康によい栄養素をバランスよく含んでいることです。マカ自体を食事として食べるなら高い栄養価の食品と考えられますが、エナジードリンクのようなマカがほんの少しだけ配合されている程度の食品では劇的な効果は得られないでしょう。
マカの効果
マカの効果のほとんどはアルギニンの効果に基づいたものがほとんどです。
- 成長ホルモン分泌促進
- 血行促進とパンプ
アルギニンが多く含まれていることから滋養強壮に良いとされていますが、マカ100g中アルギニンはたったの610mgしか含まれませんので、マカ自体を摂取したとしてもアルギニンサプリメント単体の効果を得ることは難しいと言えます。サプリメントで摂取する場合はこの10倍近い5,000mgを摂取することが多いです。
ましてやエナジードリンクに含まれるマカの量は極微量であり、そこから摂取できるアルギニンの量も当然ほぼゼロに近い量になり、滋養強壮効果があるとは言えません。
エナジードリンクとマカのイメージ
日本の栄養ドリンクの「滋養強壮のイメージ」をエナジードリンクに持ってきた「イメージ成分」程度に捉えるのがよいでしょう。
マカに限らずほかの成分に関しても基本的に「商品イメージを形成するための文字列」と考えて効果に期待しないほが良いでしょう。ちなみにマカを配合しているエナジードリンクは主に日本に多いです。
例えばチェリオのライフガードエックスはマカ4,000mg配合と多く配合しているように見えますが、アルギニンだけで見ると24mg程度しか入っていません。ここにシビアに効果を求めるのはそもそも間違いで、やはり商品イメージを作るための文字と数字ですのでそれを踏まえてエナジードリンクを楽しむのが良いと思います(u_u*)
マルトデキストリン
筋トレやスポーツの世界にいると当たり前のように聞くエネルギー源のひとつで、サプリメントとしても販売され利用されています。
主にエネルギー源としての補給用や、定期的に摂取して体を大きくするバルクアップ期にも利用されます。エナジードリンクの場合はそこまで考えられて配合されているわけではなく、甘味料の意味合いと急速なエネルギーチャージができるイメージ用に配合されているのだと思います。
マルトデキストリンの効果
- グルコースと同等の早さで吸収
- 運動中の急速なエネルギー補給
- 運動後の疲労回復効果
マルトデキストリンの特徴は吸収の速さです。マルトデキストリンを摂取するとすぐに吸収され、すぐにエネルギー源として使われます。
スポーツの試合など長時間の運動中に摂取することで素早くエネルギーを取り入れることでエネルギー切れを防ぐ、まさにエナジーチャージの効果が期待できます。
エナジードリンクとマルトデキストリン
エナジードリンクは運動前に飲むとマルトデキストリンだけでなく糖質も多く含んでいるので急速なエネルギー補給に向いていると言えます。同時にカフェインも摂取できるので、パフォーマンスアップにも期待が持てるかもしれません。
しかしエナジードリンクにはそれほど多いマルトデキストリンが入っているわけではなく、基本的に糖分は砂糖などが多く、マルトデキストリンを目的に飲むのはちょっと違います。どちらにしろ吸収の早い糖分は大量に入っているため運動前のエネルギー源として活用できることは間違いないでしょう。
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葉酸
葉酸は水溶性ビタミンB群のひとつで赤血球を作るのに必要なビタミンです。葉物野菜多く含まれているため葉酸という名前がつきました。
ごく一般の人が日常生活の中で葉酸が不足することはありません。ただし妊婦は一般の人よりも倍以上の葉酸が必要になることから、妊婦向けの栄養素・サプリメントとして有名です。「葉酸」と検索するとほとんど妊婦、妊娠関連の情報が出てきます。
1日に必要な葉酸は成人男女で240μgだそうです。妊婦になるとこの倍は必要になるので食事からでは補えないため、サプリメントで摂取するのが一般的です。
葉酸の効果
- 貧血予防
- タンパク質合成を助ける
- 皮膚や粘膜を強く健康に保つ
- 血流維持による動脈硬化予防
- エナジードリンクに含まれる葉酸
エナジードリンクにも商品によってはごくわずかに葉酸が含まれていますが、葉酸サプリメントのような量は当然入っていません。開発中になぜ葉酸を入れようと思ったのかはまったく想像できませんし入れる意味がわかりませんΣ(´∀`;)
妊婦に必要な栄養素として有名である葉酸を、妊婦には勧めないエナジードリンクに配合しているのも何だか笑える話ではありますね(^_^;)
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BCAA
BCAAは(Branched-chain amino acids)の略で、バリン・ロイシン・イソロイシンで構成される必須アミノ酸。
筋肉のエネルギーとして働くため、ハードに筋トレする人たちには必須の栄養素で、長時間の激しい運動をするスポーツでは定番のアミノ酸です。
日本ではburnなど、エナジードリンクにも微量ではありますがBCAAが配合されているものもあります。
BCAAの効果
- 運動中の筋肉のエネルギー源
- エネルギー消費に伴う筋肉の消耗を防せぐ
- 運動中の持久力向上、疲労回復
- 体脂肪燃焼促進
エナジードリンクに含まれるBCAAの量は残念ながらごく微量(1,000mg以下)なためあまり効果は期待できません。
BCAAの摂取量のテスト
BCAA摂取の実験があるのでその結果を見てみましょう。
BCAAを8,000mg、4,000mg、2,000mg、1,000mg、500mg、0mgを摂取させ、採血を2時間後まで経時的に行ってBCAAの血中濃度を測定しました。
30分後に血中濃度がピークに達し、徐々に落ちていきます。2,000mg以上摂取したグループは2時間後にも高い血中濃度を維持しましたが、1,000mg以下のグループは1時間後には摂取前と同じ値まで落ち込んだそうです。
結論としてBCAAを摂取するなら最低でも2,000mg以上摂取することが運動などのパフォーマンス工場のためには必要ということがわかりました。
BCAAの摂取タイミング
BCAAの摂取タイミングとしては、筋トレの前・中・後全てがお薦めです。各5,000mgずつ摂取するのが良いでしょう。サプリメントで適切に摂取すると、人によっては体感できるほど効果が期待できます。
BCAAは運動中のエネルギー源になり、運動後の筋修復、疲労回復、さらにエネルギー消費による脂肪燃焼と筋肉量の維持など、スポーツをする上で欠かせない栄養素です。
フィットネス系エナジードリンクに配合されるようになる
bangエナジードリンクがアメリカで人気を高めたことによって、モンスターがREIGN、ロックスターがエクスデュランスシリーズをリニューアルし高カフェイン配合とともにBCAAも配合するなど、フィットネス分野にエナジードリンクが進出しています。
だしエナジードリンクに含まれる程度のごく微量のBCAAではほぼ効果を感じられないためあまり過度な期待は持たないようにしたいですね。
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D-リボース
デオキシリボース。グルコースなどと同じ単糖です。D-リボースは甘味料としても使われるほか、エネルギー生成のための成分としても利用されます。
日本のモンスターエナジーに配合されていることでも知られています。ちなみにアメリカなど海外のモンスターエナジーにD-リボースは配合されていません。
D-リボースの効果
- 糖分や脂肪分をエネルギーとして使う働き
- 疲労軽減や筋肉痛緩和
- 糖質でありながら血糖値を上げない
- 吸収が早い
運動向けのD-リボース
D-リボースはエネルギー源であるATPの生成を促進し、エネルギーとして使われて分解されたATPを再合成して改めてエネルギー源として再利用するために働きます。これにより運動中の継続的なエネルギー維持に役立ちます。
また酸化レベルを下げ、慢性的な疲労の改善や筋肉痛の痛みの軽減など運動後のケアとしてD-リボースを利用するのもお薦めです。
モンスターエナジーのD-リボースに効果を期待しちゃいけない
モンスターエナジーに含まれるD-リボースの量は100mlあたり125mg、1本で443mgほどしか入っていません。
D-リボースの検証実験などでは5~10gを摂取していることが多く、運動用のサプリメントとして摂取する場合は1回4~5gほど摂取することが多いので、モンスターエナジーに含まれるD-リボースの量がいかに少ないかわかるでしょう。この程度の量だとほぼ効果は実感できないと思います。
著者:エナジー・ドリン君
2001年頃、在米時にダンスシーンを通じてエナジードリンクに出会い感動。 帰国後日本ではネタ飲料扱いだったエナジードリンクの本当の魅力を伝えるために2013年総合サイトを開設。 エナジードリンクマニアとして改めてエナジードリンクを真剣に飲み始め、各国で狩りをして飲み集めたコレクションは世界5,000種類以上。 メディア取材を受ける評論家や専門家としても活動中。