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burn撤退、コカ・コーラ エナジーの戦略

投稿日:2019年7月 1日|最終更新日:2021年3月20日

burn撤退、コカ・コーラ エナジーの戦略
かつて日本ではエナジードリンクブームの先駆けとして発売されたコカ・コーラの『burnエナジードリンク』がありました。

大きな流れを作れず静かに消えていきましたが、コカコーラジャパンがburnの失敗とこれからのコカコーラエナジーについて話す記事があったのでそれを引用しつつ、色々な国へ行き世界中のエナジードリンクを飲んできたエナジードリンクマニア(飲料業界ド素人とも言う)の考えなどをまとめました。

burnの撤退を振り返る

7月1日掲載の日経スタイルの記事でコカ・コーラグループ統括部長の島岡芳和氏によると

『burn』にも主要なエナジードリンクの要素をしっかり入れた。しかし、エナジードリンクの市場は非常に競争が激しく、1つのブランドを立てていくのに厳しい戦いを強いられたのも事実。

引用:コカ・コーラが新エナジードリンク 若者市場に狙い

とのこと。burnの初期商品はとても良かったと思います。ベリーフレーバーは美味しかったし、後に2商品目となるキウイアップルは最高の出来だったと思います。公式サイトもそれなりに良い感じでした。

burnの敗因

ファンから見えたburnの失敗は、単にブランディングができていなかったこと、味を途中で生姜添加に変えて完全に方向性を見失っていたこと、burnを育てることを途中で完全に諦めたことでしょうか。この順番でどんどん落ちていったと思います。

2強以外勝負になっていなかった2014年エナジードリンクブーム絶頂期

そしてエナジードリンクブーム全盛期の2013年~2014年、レッドブルとモンスターエナジーの2強に対しそれ以外の商品は正直勝負にすらなっていなかったと思います。逆に便乗商品乱立によって「エナジードリンク市場」の認知度が高まり、2ブランドは絶対的な地位を確立したのではと思います。

コカコーラエナジーは成功すると確信

そんな中エナジードリンクから撤退してしまったコカ・コーラ。しかし今回は前回のburnのようにはならない戦略があるそうです。コカ・コーラグループ統括部長の島岡芳和氏は

エナジードリンク市場で必ず勝つためにどんなソリューションを使い、どのブランドで参画することがベストか試行錯誤を繰り返してきた。そして、綿密なプランニングと、複数回の消費者の調査を経て、この『コカ・コーラ エナジー』であれば自信を持って市場に参画でき、今までのプランニングを生かした成功ができると結論付け、このたび本製品に絞ってエナジードリンク市場に再参入することを決定した

引用:コカ・コーラが新エナジードリンク 若者市場に狙い

飲料メーカートップのコカ・コーラですから中の人も社外のPR系会社等も天才たちが集まった結果この言葉が出てきたのだと思います。

2Lペットボトル200円のコカコーラと250ml缶200円のコカコーラエナジー

コカ・コーラエナジーはコカ・コーラをベースに爽快感などを高めたフレーバーです。要するにほぼコーラそのものの味なんですね。

最初は「新商品だから」とか「コカ・コーラからエナジードリンク出たんだ」と珍しいものを買ってみる人はかなりいるはずです。

しかし普段スーパーで200円出すと2Lのペットボトルコーラが買えるのに、エナジードリンクというだけで味のさほど変わらないコカ・コーラエナジー0.25Lを同じ200円も出して買い続けるでしょうか。高くても日常的に買う理由は?レッドブルやモンスターではなくコカコーラエナジーを買う理由は?

ここがエナジードリンクの難しいところですね。

burn撤退、コカ・コーラ エナジーの戦略
メキシコの国民的飲料コカコーラ

ブランディング出来るかが鍵

最も重要なのは長期に渡るブランディングと消費者の教育だと思います。結果的にどれだけ消費者にハマるブランディングができるかどうか。それを長期間継続できるかどうか。すいません、偉そうにΣ(´∀`;)

過去のエナジードリンクブーム

これまで新しいエナジードリンクが出ては何かのスポンサーをしたりイベントを主催したりして・・・何事もなかったかのように消えていったエナジードリンク多数。当時『あと10年この活動続けていく気あるのかな』と思って見ていました。結局ブランディングは表面上だけ、商品を育てるところまで行き着くことなくほぼ全てなくなりました。

コカ・コーラエナジーはどうなるか

発売直後のコカコーラエナジーはサンプリング配布も全国的に実施していますし、自動販売機では発売前からコカコーラエナジーが配置され告知されていました。ネットニュースも大量に取り上げていましたよね。SNSではインフルエンサーによるプロモ投稿も目立ちました。話題性は抜群です。

認知されるのは重要ですが、それよりもさらに重要なのはその後のブランディングだと考えています。商品の存在は知っていても、100mlあたりの単価が一般飲料の数倍の値段の商品にどれだけお金を使ってもらえるか。

先に引用した

エナジードリンク市場で必ず勝つためにどんなソリューションを使い、どのブランドで参画することがベストか試行錯誤を繰り返してきた。そして、綿密なプランニングと、複数回の消費者の調査を経て、この『コカ・コーラ エナジー』であれば自信を持って市場に参画でき、今までのプランニングを生かした成功ができると結論付け、このたび本製品に絞ってエナジードリンク市場に再参入することを決定した

引用:コカ・コーラが新エナジードリンク 若者市場に狙い

という戦略の中に明確に盛り込まれていてその先が既に見えているかどうか。ちなみにコーラに関してはこのようにも話しています。

コカ・コーラの『強み』は誰もが知っている独自のおいしさ。さらに高揚感を感じられる楽しい時間や、仲間とつながる幸せな時間を提供できること

引用:コカ・コーラが新エナジードリンク 若者市場に狙い

まさにコカ・コーラは『高揚感を感じられる楽しい時間や、仲間とつながる幸せな時間を提供』そのもののイメージだと思います。これって中の人たちも消費者も共通のイメージじゃないでしょうか。

個人的に好きなのが綾瀬はるか、満島真之介によるこのCMですね。

見るたびにコーラを飲みたくなるし国民的炭酸飲料というイメージもクリーンな印象にまとまっていて何度見ても良い。ウチのコークは世界一というキャッチフレーズもすごい。上手すぎますね。

ブランディング、マーケティングの面でもう少し最近の好きなのを紹介すると、これも傑作だと思います。
burn撤退、コカ・コーラ エナジーの戦略
ちょっとベタなCMではありましたが、キャッチフレーズが神がかってます。

これまで日本で50~60年かけて築いてきた確固たるコーラのブランドイメージ。同様にエナジードリンク商品も3~4年で何とかなるとは到底考えていないと思います。

ちなみにコカコーラエナジーのCMはこちら。

エナジードリンクのイメージとはちょっと違う気もしますが、これからどんなブランディングをしていくのか期待しましょう。

エナジードリンク専門の飲料メーカーに一般向け飲料メーカーがどう勝負していくのか、とても楽しみです。続きはこの記事の数年後に改めて書きたいと思います。

著者について著者:エナジー・ドリン君

2001年頃、在米時にダンスシーンを通じてエナジードリンクに出会い感動。 帰国後日本ではネタ飲料扱いだったエナジードリンクの本当の魅力を伝えるために2013年総合サイトを開設。 エナジードリンクマニアとして改めてエナジードリンクを真剣に飲み始め、各国で狩りをして飲み集めたコレクションは世界7,000種類以上。 メディア取材を受ける評論家や専門家としても活動中。