エナジードリンクの飲み過ぎと肝臓

投稿日:2022年1月18日|最終更新日:2022年2月 1日

エナジードリンクの飲み過ぎで肝臓の数値が高くなる?
エナジードリンクの飲み過ぎで肝機能障害になった、健康診断で肝臓の数値が高く出てしまった、というネットの情報をたまに見かけます。

実際にアメリカで起きた事例の紹介と、エナジードリンクの飲みすぎや常飲で肝臓に大きな負担がかかるのかをまとめてみました。

著者について著者:エナジー・ドリン君

2001年頃、在米時にダンスシーンを通じてエナジードリンクに出会い感動。 帰国後日本ではネタ飲料扱いだったエナジードリンクの本当の魅力を伝えるために2013年総合サイトを開設。 エナジードリンクマニアとして改めてエナジードリンクを真剣に飲み始め、各国で狩りをして飲み集めたコレクションは世界5,000種類以上。 メディア取材を受ける評論家や専門家としても活動中。

過去のアメリカの事例

エナジードリンクの飲み過ぎで肝臓の数値が高くなる?
2016年にアメリカ・フロリダの50代肉体労働者の男性が仕事を頑張るためにと毎日4~5本(!!)のエナジードリンクを3週間にわたり飲み続け、腹痛、嘔吐、尿が濃くなり、黄疸が出る肝臓に何かしらの障害が出たときのわかりやすい症状で入院した、というニュース。

検査後にわかったことをまとめると下記のようになります。

  • 3週間、普段の食生活に変化なし
  • タバコ、アルコール、薬物等使用はなし
  • エナジードリンクを毎日4~5本摂取
  • 過去にC型肝炎の感染歴あり
  • 明らかに肝臓にダメージがあった

エナジードリンクに含まれるビタミンB3(ナイアシン)が原因だったのではないかと診断されたそうです。とは言えこの男性はエナジードリンクから1日当たり約160~200mg程度の安全な量を摂取していたことから、今回は特異なケースであると考えられました。

ちなみに日本の50代男性のビタミンB3推奨量は14mg/日、過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量(耐容上限量)は300mg/日なので、この男性が摂取していた量が特別危険な量であったとは言い難く、そのため医師はビタミンB3の毒性がこの3週間で蓄積されたのではないかと考えたようです。釈然としない感じではありますが。

参考サイト

逆に毎日4~5本飲んでも普通なら問題ない?

エナジードリンクの飲み過ぎで肝臓の数値が高くなる?
今回のフロリダの男性の場合は3週間継続的に4~5本のエナジードリンクを飲んでいたということですが、ビタミンB3は安全な量の上限を下回っていましたし、実際に4~5本飲むとどれくらいヤバいのか気になりますよね。

今回はどのブランドのエナジードリンクを飲んでいたか不明ですが、一般的なアメリカのエナジードリンクの成分を例にして考えてみます。

カフェイン

1本160mg配合として、4本で640mg、5本で800mgも摂取することになるので1日の安全な摂取量(400mg)の倍を毎日摂取していたことになります。これは肝臓以前に心配な摂取量ですね。コーヒーやお茶を飲む習慣もあるなら今すぐやめたほうが良い量。

糖分

アメリカなので473ml入りとして1本50g前後の糖分が含まれていたとすると、4本で200g、5本で250gの糖分。これくらいだと今回のケースの「肉体労働をしていた男性」に限っては普段の食事内容にもよりますが、体を壊すような特別多すぎる量とは言えないかもしれません。食生活がどのような状況だったのかもわからないので何とも言えないですね。一般的な運動量の人だと食事とは別に摂取する糖質としては多すぎます。

カロリー

糖分が50g前後の場合、カロリーは1本で200kcalほどです。もう少し糖分が多いものもあり、その場合は大抵250kcal以下が多いと思います。4本だと800~1000kcal、5本だと1000~1250kcalを食事とは別に摂取していることになります。糖分でも書いた通り、肉体労働をしている人にとってはただちに健康を害するほど多すぎるとも言えない微妙なカロリーではありますが・・・、運動習慣がない人にとっては明らかにオーバーカロリーでしょう。

その他のエナジー成分

アメリカだとタウリンが有名だと思いますが必要以上に摂取したタウリンは蓄積せず尿で出ていくのでさほど問題ではなさそう。高麗人参などのようなハーブ系は微量なので影響は少ないと考えられます。

少量のエナジードリンク、その他清涼飲料水でも毎日慢性的に飲んでいると肝臓に影響が出る可能性は高い

今回のケースは3週間という短期間に大量のエナジードリンクを飲んだことが原因とされましたが、実は少量でも毎日継続して飲んでいると知らず知らずのうちに肝臓に脂肪が溜まっていく「脂肪肝」になるリスクは高まります。脂肪肝⇒肝炎⇒肝硬変⇒肝がんへ移行することがあるので注意したいですね。

アルコールよりも糖分摂取で脂肪肝

脂肪肝はお酒をよく飲む人が注意すべきと思われがちですが、脂肪肝の原因で最も多いのは実は「食べ過ぎ」だそうです。お酒を飲まなくても日頃から糖質摂取量が多いと脂肪肝(非アルコール性脂肪肝炎)になりやすいことがわかっています。

炭水化物多めの食事、高カロリーな食事をしているならエナジードリンク以前の問題

1日に消費するカロリーよりも摂取カロリーが多い場合は少しずつ脂肪が増えていきます。多くは脂質と糖質の摂りすぎであり、日頃の食事内容がダーティーであれば既に必要な糖質量を超えているでしょうし、そこにエナジードリンクや清涼飲料水が1本追加されるだけでさらにリスクが高まります。

糖質が原因の脂肪肝を健康診断の数値から読み取る

健康診断で出る肝臓の数値「ALT」「AST」「γ-GTP」の3つから脂肪肝の状況はわかります。糖質の過剰摂取が原因で脂肪肝になっているのは、「ALTがASTよりも高い」「γ-GTPが基準値より少し高い」状態。そうでない場合はアルコールが原因だそうです。健康診断の際はこの数値の状態を見てみてください。

関連記事

エナジードリンクだけで一気に肝臓が悪くなるわけではない

今回のフロリダの事例は明確な原因が良くわからない感じではあるものの恐らく継続的に毎日4~5本という多量摂取により急性的に肝機能が低下したと考えられますが、普段から「糖質の多い食生活」と「定期的な運動習慣がない」場合は少量であってもエナジードリンクや清涼飲料水の常飲は注意が必要と言えるでしょう。

健康を考えると慢性的なエナジードリンクや清涼飲料水の飲みすぎに注意するだけでなく、糖質の多い食生活を根本的に変えていく必要がありそうです。