アメリカのCELSIUSがロックスターを買収、CELSIUS系列のエナジードリンクはペプシコの流通網へ

アメリカのエナジードリンク再編のニュースが飛び込んできました。

何とアメリカのエナジードリンクシェア3位のCELSIUSが、かつてのトップブランドだったロックスターをペプシコから買収しました。

以前エナジードリンクマニアのニュース記事でも取り上げた「CelsiusがAlani Nuを18億ドルで買収、アメリカのエナジードリンク市場に激震」というニュースから半年、遂にロックスターがCELSIUS傘下へ。

エナジードリンクシェア3位のCELSIUS、4位のAlani Nuに続き、ロックスターが加わることでさらにCELSIUSグループが大きくなっていく予感です。ロックスターが本来のエナジードリンクに蘇ることができるのでしょうか！？

ペプシコがCELSIUSホールディングスの転換優先株5億8,500万ドルを取得

ペプシコがCELSIUSホールディングスの転換優先株を5億8,500万ドル分取得しました。これによってペプシコはCELSIUSの株式の11%を保有する形になりました。

この見返りとして、ペプシコが所有するアメリカとカナダのロックスターをCELSIUSが取得。ペプシコのエナジードリンク事業はCELSIUSが担うことになりました。

これにより、CELSIUS傘下となったAlani Nuの流通の80%が2025年12月からペプシコに移る予定です。これまで以上に多くのスーパーやコンビニチェーンなどでAlani Nuの露出はさらに増えていくと考えられます。Alani Nuは2024年からカナダでも徐々に流通し始めているためアメリカだけでなくカナダでもさらにシェアを伸ばしていくものと思われます。

ただ単に店頭での露出が増えるから売れるのではなく、Alani Nuは従来のエナジードリンク業界には見られなかった一貫したブランド戦略が功を奏しており、今後の展望は非常に明るいと感じています。特に北米の若い女性層に強くフィットしているため、北米市場では確実に強固なブランドとして、しばらく成長を続けていくはずです。

「ロックスター」のこれまでを振り返ってみる

もともとロックスターはアメリカのシェア3位のエナジードリンクブランドでした。

2020年にニュースでも取り上げた「ペプシコ、ロックスターを38.5億ドルで買収」にもあるとおり、ペプシコはかつてロックスターを38.5億ドルで買収しています。

しかし5年後の2025年には、実質5億8,000万ドルでCELSIUSに売却され、価値は85％減という結果になりました。さらにペプシコは2025年第2四半期にロックスターに関して17億8,000万ドルの減損損失を計上しており、非常に厳しい状況にあると言えます。

現在に至るまでのロックスターの低迷はアメリカに住んでいる方であれば実感しているところでしょう。デザイン変更、フレーバー変更、マーケティングの変更などが続き、ロックスターらしさのない「その他ブランド」へ。現在ロックスターのシェアは驚くことにたった2%です。

「その他ブランド」にまで落ちてしまったロックスターですが、CELSIUSとAlani Nuと合算するとアメリカでのシェアは20%となり、CELSIUSグループとしてアメリカの巨人であるモンスターエナジーの背中が見えてきました。

2001年ロックスター創業時のメンバーがCELSIUS入り

2001年にロックスターが誕生した当時のメンバーがペプシコからCELSIUSへ移るとのこと。

ロックスターはCELSIUSやAlani Nuのような現代の健康志向が反映されたブランドとは違い、昔ながらのクラシックなブランドに位置づけられるため、CELSIUSとAlani Nuとブランド内で競合することはありません。

そしてロックスターを現代の消費者に合わせて刷新するのではなく、いかに「ロックスターらしさ」を取り戻せるかが焦点になりそうです。

ロックスター創業当時のメンバーが「あの頃のロックスター」を蘇らせることができれば、2000年代のクラシックなエナジードリンクを好む消費者にまた支持されるかもしれません。

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